家紋とは、あなたの祖先と家に伝わる紋章(ロゴマーク)です。
ご先祖様からあなたへ繋がる血の流れを、簡単なマークに置き換えて表現したものです。
江戸時代以前の武家社会では、大名や旗本の素性や系列を見分けるのに利用されてきました。
武士にとって、紋付の(家紋入りの)着物や提灯を下げて歩くことは、看板を持って歩くことと同じで、自らの威厳を誇示するためのものでした。
家紋は、もともと天皇や皇族が着物につけた柄から生まれ、 その柄を決まった紋様にし、自分の牛車につけたものが家紋の始まりといわれています。
それが鎌倉時代の武家社会にも浸透して発達しました。
武将は、旗指物に大きく家紋を描き、戦場において敵見方の区別、
そして大将からは、どの武将がどれだけ活躍しているかの判断に使われました。
武家は、それぞれ独自の家紋を持つようになり、武具、旗物具足、着物などに多く用いられました。
そして家紋の勝手な使用はできず、主君から下賜されたり使用の許可を得てから使われたそうです。
明治時代になると、「紋付袴」の黒紋入りが一般的となり、どの家にも必要なものになりました。
そこで代々続く武家以外の庶民では、家紋を比較的自由に決めていたそうです。
逆に、庄屋や地主といった権力者から無理やり家紋を決められた家もあるといいます。